虫歯・歯周病予防で笑顔を守る:予防歯科のいろは

彩り豊かな人生を送るための口腔ケア(デンタルケア)ブログ

口臭の4種類と具体的な対策

今日は、口臭の4種類について解説します。

一言で「口臭」と言っても、
医学的には以下の4つに分類されるのです。

  1. 生理的口臭
  2. 病的口臭
  3. 外因性口臭
  4. 心因性口臭

順番に解説しますね。

1.生理的口臭

これは寝起き、空腹時、緊張時など、
唾液分泌が減ると発生します。

つまりドライマウス(乾燥)が原因です。

逆に、口内を潤せば生理的口臭を防げます。

また、唾液は虫歯、歯周病
知覚過敏などを防ぐ効果もあるので、
その分泌はオーラルケアでかなり重要です。

2.病的口臭

病的口臭とは、

・口腔内の病気(虫歯、歯周病など)
・全身的な病気(糖尿病、消化器疾患など)

が原因の口臭です。

特に虫歯や歯周病が原因で、口臭が
強くなっている方は多いと思います。

これらは病気を治療しないといけません。

また、その病気を早めに発見するための
健康診断や定期検診も大切です。

3.外因性口臭

飲食や喫煙など、外部要因による口臭です。

これは飲食する限り、完全には防げません。

たとえばチーズ、するめ、ニンニクなどを
食べた後は、絶対に口が臭くなります。

ただし歯磨きやフロス、
マウスウォッシュなどで軽減は可能です。

なので食後、口臭が気になる場合は
しっかり歯磨きやマウスウォッシュで
口内を洗浄しましょう。

あとは唾液でも外因性口臭は軽減できるので、
しっかり口の中を潤しましょう。

4.心因性口臭

口臭に対する過敏な反応など、
心理的に感じる口臭です。

過敏な反応とは何かと言うと、本来は
全然大したことないレベルなのに、
本人が過剰に気にしてしまう
という状態です。

人体は無臭ではありません。

どんなに気を付けても多少の臭いがあります。

それを潔癖症のように気にしてしまう
というのが心因性です。

つまり心の問題ですね。

これは歯科のアプローチではなく、
自分の考えや解釈を変えたり、
重度なものですと精神科が必要となってきます。

口臭の4種類まとめ

以上が4つの口臭です。

読んでいただくと分かる通り、
私たちがセルフケア(オーラルケア)で
予防できるのは生理的と外因性のみです。

 

病的な口臭は病気を治療する必要がありますし、
心因性は心の問題となります。

 

一方、外因性は飲み食いしている限り
なくなりませんが、歯磨き粉や
マウスウォッシュなどを活用すると、
早めに消すことはできます。


そして、最後の生理的口臭のみ、
複数の方法で対策が可能です。

ここは次回詳しくお話するので、
楽しみにお待ちください。

口臭の重要性を理解しよう

今回から口臭について解説します。

続いてホワイトニングや
知覚過敏についても話していきます。

いままで虫歯、歯周病について話してきて、
そのどちらも長かったと思いますが、
口臭やホワイトニングはシンプルです

サクサク進んでいきましょう。

まず対策を具体的に話す前に、
口臭を放っておくデメリットと、
改善するメリットをお伝えします。

口臭が良くないことなんて
誰でも分かると思いますが、
あえてハッキリ認識しておくことで、
予防のモチベーションが高まるのです。

そこで今回は口臭対策のメリットをおさらいします。

口臭3つのデメリット

デメリット1.人間関係への悪影響

まず口臭が強いと人間関係が上手くいきません。

あなたも、喋っているだけで口が臭いと
感じる人とは会話したくないと思います。

つまりコミュニケーションに弊害が出てくるのです。

 

特に営業や販売、接客などの仕事では、
口臭が強いのは致命的と言えます。

そこから仕事が上手くいかず、
自信喪失することがよくあります。

デメリット2.精神的なストレス

口臭が強いと、人に嫌われることや
コミュニケーションへの恐怖を覚えます。

特に人から「口が臭い」と指摘されるのは
ショックが大きいです。

すると次から、
「いまは口臭大丈夫かな…」と、
常に不安やストレスを感じるようになります。

ずっと口臭を気にして過ごすことになりますし、
重度のものだとそこから精神病に
つながることもあるのです。

デメリット3.病気や症状が隠されている可能性がある

次回の記事で詳しくお話しますが、
口臭には複数の原因が考えられます。

場合によっては、
口臭の後ろにさまざまな病気が
隠されていることもあるのです。

よって口臭を放置すると、
病気まで進行する可能性があります。

口臭対策のメリット

以上のように口臭にはさまざまな
デメリットが潜んでいます。

逆に口臭を予防・改善すれば、

・円滑なコミュニケーションを図れる
・人間関係が良くなる
・対人関係で自信を持てる
・隠れた病気を発見できる

といったメリットがあるのです。


特にコミュニケーションには
深く関わってくるのが口臭です。

次回から口臭対策を解説していくので、
1つずつ対策していきましょう。

予防法まとめ:虫歯と歯周病の対策

ここまで虫歯と歯周病の話をしてきました。

今回は二大口内トラブルである虫歯と歯周病
予防法をピンポイントでまとめます。

虫歯と歯周病を確実に予防する方法

まず2つを確実に予防する手段は以下の通りです。

虫歯:糖質の摂取回数を減らす
歯周病:正しい歯磨き(ブラッシング)

こちらを見てもらうと分かる通り、
いずれも歯磨き粉は必須ではありません。

歯磨き粉は間違いなく効果があり、
使わないより使ったほうがいいものです。

が、なくても虫歯や歯周病は防げます。

歯磨き粉は+αするためのサブに過ぎません。

 

実際、塩で磨くとか水だけで磨くとかで、
歯磨き粉を使わない人もいます。

それでも、いちばん大切な予防法をやれば、
虫歯・歯周病にはならないのです。

そこの大原則を押さえた上で、
フッ素や殺菌成分などを足せば、
より万全と捉えましょう。

虫歯になりやすい人 vs 歯周病になりやすい人

虫歯と歯周病リスクには個人差があります。

虫歯になりやすい、歯周病になりやすい
といった体質の違いがあるのです。

その原因はさまざまな要素が絡んでいますが、
1つ唾液中にカルシウム分が多いかどうかが
大きいのです。

 

まずカルシウム分が多い人は、
虫歯になりにくいが歯周病になりやすい
という特徴があります。

カルシウムやリン酸が多いと再石灰化
早いので、虫歯リスクは低いです。

ただし、磨き残し(プラーク)が歯石になるのも
早いので、歯周病リスクが高まります。


逆にカルシウム分が少ない人は
虫歯になりやすいが歯周病になりにくい
という特徴があります。

歯石ができづらいので、
プラークが溜まりにくいです。

よって歯周病にはなりづらいです。

その代わり人より再石灰化が遅いので、
虫歯リスクが高まります。


私は完全に虫歯リスクが高いほうです。

そのためブラッシングが少々適当でも、
簡単に歯周病にはなりません。

やや歯周ポケットが深くなる程度です。

代わりにすぐ虫歯となるので、
虫歯予防には相当気を遣っています。

あなたの体質に合わせて、
どこに注力するべきなのかも
考えていきましょう。

(唾液のカルシウムやリン酸濃度が分からない場合、
歯医者に聞くと教えてもらえることがあります)

ホワイトニングは歯磨き粉が必要

虫歯・歯周病は空磨きでも予防できると言いました。

が、1つだけ歯磨き粉がないと
解決できないことがあります。

それがステイン(着色汚れ)です。

 

コーヒー、紅茶、カレー、ミートソース、
ワインなどを飲み食いすると、
歯に少しずつ色がついてきます。

それ自体は病気につながりませんが、
見た目が汚いというデメリットがあります。

つまり美容の問題です。

実際、着色を気にする方は多いでしょう。

 

このステインはただ磨いても除去できません。

歯磨き粉が必要です。

 

歯磨き粉に研磨剤(清掃剤)と言って、
細かい粒子が入っています。

そのザラザラで歯をこすり、着色を落とすのです。

特別「無研磨」などと謳われていなければ、
歯磨き粉には大なり小なり研磨剤が入っています。

なので着色が気になるなら歯磨き粉を使いましょう。

※ホワイトニングについては、
 また改めて詳しくまとめます。

虫歯予防と歯周病予防のまとめ

長く語ってきたオーラルケア情報ですが、
簡単にまとめればポイントはこれだけです。

虫歯予防:糖質の摂取回数を減らす
歯周病予防:歯垢プラーク)を除去する

歯磨き粉は、
「強く推奨するが必須ではない」
という位置付けです。

使うほうが絶対にいいです。

が、絶対使わないといけないものでもありません。

歯科医師の中には、

「歯磨き粉は基本なんでもいい」
「フッ素が1,450ppm入っていれば、あとは自由に選ぶ」

と大雑把な方もいます。

 

予防歯科のいろはでは今後、
オススメ歯磨き粉もどんどん特集していきます。

サブとして使う分には、とても有用なものです。

が、歯磨き粉は何でも解決してくれる
魔法の薬ではないとは覚えておきましょう。

 

それでは、次回から新しい章として、
口臭について解説します。

お楽しみに!

フッ素洗口液の重要性と効果

前回はマウスウォッシュについて解説しました。

結論は、

「効果はあるが重要ではない」
「お金・手間がもったいない」

でした。

しかしマウスウォッシュの中には、
フッ素を配合したフッ素洗口液があります。

フッ素の場合、歯周病予防の
マウスウォッシュとはやや
事情が違ってくるのです。

というのもフッ素洗口は、国際的に
推奨されているフッ化物応用の1つ。

市販品はフッ素濃度が低いので、
大人には物足りないですが、
子ども(中学生以下)には
非常に重要と考えられています。

今日はそのフッ素洗口について解説します。

2つのフッ化物応用

フッ化物応用には2つのやり方があります。

フッ化物応用1.全身応用

フッ素を経口摂取し、歯に取り込ませる方法です。

  • 水道水フロリデ-ション(水道水にフッ化物を配合)
  • フッ化物錠剤
  • フッ化物添加食塩

いずれも日本では未実施です。

フッ化物応用2.局所応用

歯の表面に直接、フッ化物を塗りこむ方法です。

  • フッ化物歯面塗布(歯医者で塗布されるフッ素、濃度は9,000ppmなど非常に高い)
  • フッ化物配合の歯磨き粉
  • 今回のフッ化物洗口

日本で行われるのはこちらです。

フッ化物洗口の効果

フッ素洗口は局所応用の1つになります。

マウスウォッシュにフッ素を配合し、
液体により隅々まで成分を
行き渡らせる方法です。

大人がやってもいいのですが、
主に歯が形成されるまでの
4歳児~中学生に行われます。

やり方は以下の2種類です。

週一法:
週1回900ppmのフッ素洗口液を使う

毎日法:
毎日225ppm、250ppm、450ppmのフッ素洗口液を使う

※月曜日~金曜日まで実施することから
 週5回法とも呼ばれる

 

歯磨き粉のフッ素濃度が500ppm、950ppm、1,450ppm
などであることを考えると低濃度に感じます。

が、フッ素洗口は低濃度でも高い効果が見込めます。

歯磨き粉は希釈前提であり、歯ブラシに出した
1~2cmの歯磨き粉が口の中に広がっていくので、
元は1,450ppmでもそこから濃度が下がります。

対し、マウスウォッシュはそのままの濃度で
洗口するため低濃度でも効果は高いのです。

 

では、その上でフッ素洗口は取り入れるべきなのか?

これについて私の意見を言うと、
先ほど言った通り4歳児~中学生までは
積極的にやるべきだと考えます。

特に乳歯は、永久歯と比べてエナメル質が薄く、
虫歯リスクが高いのです。

よってフッ素によるガードが重要でしょう。

 

加えて、乳歯のうちにフッ化物応用をすれば、
永久歯の虫歯耐性も上がると考えられています。

したがって、メリットは非常に大きいのです。

では大人はどうかと言うと、
もちろんメリットはあります。

しかし、市販のフッ素洗口液は濃度の低さが難点です。

フッ素洗口液には歯科医で処方される
要指導医薬品と、薬局などで購入できる、
第三類医薬品があります。

主な製品とフッ素濃度は以下の通りです。

要指導医薬品

・処方箋が必要
・ネット購入不可

ミラノール:250ppm~900ppm
オラブリス:250ppm~900ppm
ビープランド:450ppm

第三類医薬品

・処方箋が不要
・ネット購入可

BUTLER エフコート:225ppm
フッ素メディカルコート:225ppm

 

こうして見ると市販品はフッ素濃度が低いです。

子どもなら225~250ppmでもいいのですが、
大人なら450ppm~900ppmがほしいところ。

よって物足りなさは感じます。

 

ただしお子さまがいる場合は、
学校でやるフッ素洗口の他に
エフコートやフッ素メディカルコートを買い、
土日もフッ素洗口をやらせてもいいでしょう。

フッ素洗口液の結論

以上を踏まえて結論を言うと、
フッ素洗口の効果はとても高いです。

特に子どもには重要と言えます。

 

一方、大人なら歯磨き粉のフッ素でも十分です。

私もフッ素洗口液は取り入れていません。

高濃度フッ素(1,450ppm)の歯磨き粉で
1日3回ブラッシングをするだけにしています。

それでも虫歯は防げています。

 

ただし虫歯リスクの高い方なら、
歯医者さんに相談すれば濃度の高い
要指導医薬品を処方してもらえるかもしれません。

なので一度相談してもいいと思います。

(ただしフッ素洗口液は、
取り扱いのある歯医者さんが少ないようです。
ある程度大きい歯医者さんでないと、
無理かもしれません)

マウスウォッシュの効果とデメリット

今回は
歯周病予防におけるマウスウォッシュの効果」
を解説します。

マウスウォッシュには薬用成分が入っており、
殺菌や歯ぐきの保護という面で、効果があります。

 

しかし、デメリットも少なくありません。

使うタイミングを見極めないと、
効果がほとんどなくなるのです。

 

今回はマウスウォッシュのメリット・デメリット、
使うべき人を整理しますね。

マウスウォッシュの種類

マウスウォッシュと一言で言っても、
効果・効能ごとに種類があります。

多いのは歯周病と口臭予防です。

・殺菌成分
・歯ぐきの防御成分(炎症や出血の抑制)

などが入っています。

 

他、虫歯予防に効果的な
『フッ素洗口液(フッ素配合マウスウォッシュ)』
も人気です。

フッ素濃度は低めですが、
マウスウォッシュは歯磨き粉より
低濃度で高い効果が認められています。

フッ素洗口液の効果は、
ここで話すととても長くなるので、
次回、別の記事としてまとめます。

 

また、歯を白くするホワイトニングの
マウスウォッシュもたまに見ますが、
成分を見る限り効果は相当低いです。

うがいだけで着色(ステイン)が取れるのは、
期待しないほうがいいでしょう。

よって現実的に期待できるのは、

歯周病
・口臭
・虫歯

への対策となります。

マウスウォッシュ3つのデメリット

そんなマウスウォッシュですが、
私はそこまで推奨はしていません。

「使わないほうがいい」とまではいきませんが、
積極的にオススメもしないのです。

その理由を3つお話します。

デメリット1.歯垢プラーク)内までは殺菌できない

殺菌成分が配合されているマウスウォッシュでは、
歯周病や口臭の予防が可能です。

しかしここで気を付けてほしいのは、
口内の浮遊菌に対して効果があるということです。

逆に、プラーク内には成分が作用しません。

つまり歯にプラークが付着している状態で
マウスウォッシュを使っても、周囲にある
浮遊菌しか殺菌できないということですね。

 

しかし、もっとも虫歯や歯周病
口臭の原因となるのはプラークです。

そのプラークは歯磨きで破壊するしかありません。

つまりマウスウォッシュは、
歯磨きの代わりにならないのです。

 

たまに
「歯磨きの時間がないので、
マウスウォッシュをしておく」
という方がいます。

しかし、マウスウォッシュは代わりにならないのです。

いくらマウスウォッシュを使っても、
プラークが残っている限り虫歯や歯周病
口臭のリスクは高くなります。

 

一応、口臭対策にはなるので、
「歯磨きできないから、せめて口臭は取っておく」
という発想でのマウスウォッシュはありです。

しかし、繰り返しますが歯磨きの代わりにはなりません。

ここは誤解しないようにしましょう。

デメリット2.歯磨き後にやるとフッ素が流される

いま、マウスウォッシュの成分は
プラーク内には作用しないとお話しました。

言い換えれば、歯磨き+マウスウォッシュならOKです。

ただし、歯磨き直後のマウスウォッシュはオススメしません。

なぜなら、マウスウォッシュを使うと
歯磨き粉の成分が洗い流されるからです。

 

以前、虫歯予防の記事でお話しましたが、
いまの歯磨きは無洗口(うがいしない)が
推奨されています。

フッ素などの薬用成分を長く留めておきたいためです。

しかしマウスウォッシュを使うと、
新たに殺菌成分は入れられますが、
歯磨き粉の成分は相当流されます。

よって、使うなら歯磨きから2時間ほど経ち、
歯磨き粉の効果が切れてきてから使うべきです。

それなら歯磨き粉の効果を得つつも、
マウスウォッシュが有効に働くでしょう。

 

でも、そこまで正確にやるのも
面倒くさくない?と思います…(笑)

それに、そこまで徹底しないと
虫歯や歯周病は予防できないかと言うと、
全然そんなことはありません。

・糖質の摂取回数を減らす
・フッ素
・正しくブラッシングする
・薬用成分を摂取する

などをすれば虫歯・歯周病にはなりません。

そこにマウスウォッシュを追加するのは、
サブのサブくらいでしょう。

90点のケアが95点になる程度の違いです。

劇的に何かの変化は見込めません。

 

現状、あなたが歯周病になっているなら、
マウスウォッシュによる治療は期待できず、
それよりも優先すべきはブラッシングの改善。

総じてマウスウォッシュを重視しても、
お金や労力がもったいないと感じます。

デメリット3.費用が高い

最後のデメリットは費用が高いことです。

薬局のマウスウォッシュは、
1ヶ月分で600円~800円などします。

歯磨き粉は市販のものなら
300円~500円で1ヶ月以上持つことを
考えると、だいぶ高級な部類です。

対して、効果が非常に高いとは言えません。

となると、無理してマウスウォッシュを
取り入れる必要はないでしょう。

マウスウォッシュのメリット

ここまで否定的なことばかり書いてきましたが、
マウスウォッシュを全否定したいわけではありません。

マウスウォッシュの使い方として、
『口臭のリセット』ならオススメできます。

大切な商談やデートの前などに
息をサッパリさせておくわけですね。

これは「マウスウォッシュを使わないと口が臭い」という
意味ではなく、正しくブラッシングや水分補給をすれば、
使わなくても口臭はしません。

しかし、大事なときは念を入れるというイメージです。

 

私も、SP-Tメディカルガーグルという
歯科専売品のマウスウォッシュを持っています。

※歯科専売品とは原則、
 歯医者さんでのみ購入できる製品です。

 が、いまはAmazon、ロフトやハンズ、
 品ぞろえのいい薬局などでも購入できます。

SP-Tメディカルガーグルは1,500円ほどします。

が、希釈するので200回ほど使用可能です。

なので市販のマウスウォッシュと比べても、
コスパに数倍、優れています。

そんなSP-Tメディカルガーグルの成分は、

・浮遊菌を殺菌するCPC(塩化セチルピリジニウム)
・歯ぐきの炎症を抑えるGK2(グリチルリチン酸ジカリウム
・スッキリ感のあるメントール

などです。

先ほどお話したように口臭対策になります。

 

もちろん薬用成分が入った歯磨き粉を使ったあとは
SP-Tメディカルガーグルを使わないのですが、
以下のような場面では愛用しています。

・歯磨きができないとき
・薬用成分のない歯磨き粉を使っているとき

寝起きのマウスウォッシュは必要か?

もう1つ、寝起きにマウスウォッシュを使うといい
という話をたまに目にします。

寝ている間は唾液の分泌量が減り、
細菌が繁殖してしまうからです。

よって寝起きはマウスウォッシュで殺菌するわけです。

この考えは正しいのかと言うと、
不潔な口を洗浄する効果はあります。

が、その用途なら普通のうがいでも十分です。

なんなら朝に水を飲んだり朝食を食べても、
口内は洗浄されます。

「それだと繁殖した細菌を飲み込むから良くない!」

と言われたりするのですが、
細菌は胃液ですべて殺菌されます。

なので飲み込んでも全然問題ありません。


よって、
「マウスウォッシュを使うな」
と言いたいわけではないのですが、

「そこまで大きなメリットはない」

というのが私の考えです。

口臭ケアとして1本備えておくと便利
くらいに考えておきましょう。

マウスウォッシュ(洗口液)とデンタルリンス(液体ハミガキ)

最後に1つ注意点を。

液体のオーラルケアグッズは、主に

マウスウォッシュ(洗口液)
デンタルリンス(液体ハミガキ)

の2種類があります。

これらがよく、ごっちゃにされがちです。

どちらも同じマウスウォッシュだと
認識している方も多いでしょう。

しかし、両者は明確に違います。

使い方を間違えると効果が激減するので、
ここで2つの違いを覚えておきましょう。

マウスウォッシュ=洗口液

マウスウォッシュはその名の通り、
口の中を洗うために使います。

20~30秒口に含んだり、うがいしたり、
グジュグジュして終わりです。

それで口内に薬用成分を行き渡らせます。

デンタルリンス=液体ハミガキ

デンタルリンスは液体ハミガキと書かれるように、
歯磨き粉ならぬ歯磨き液です。

つまり口の中に含んだあと、
吐き出してブラッシングをするものです。

マウスウォッシュのように
うがいするだけでは効果を得られません。

歯磨き粉の液体版と覚えておきましょう。


このようにそれぞれ使い方が異なります。

が、両者が違うものだと一般には認知されておらず、
それぞれの使い方の違いも知られていません。

なんならマウスウォッシュとデンタルリンスは、
パッケージだとほぼ違いが分からないものも
あるので厄介です。

が、裏面の成分表示などのラベルを見ると、
「洗口液」「液体ハミガキ」などと書かれています。

目的に合わせて、正しいほうを使いましょう。


以上がマウスウォッシュについてでした。

次回は途中でお話した、
『フッ素洗口液』について解説します。

フッ素洗口液は、今回の記事で扱った、
歯周病や口臭のマウスウォッシュとは
事情が異なってくるのです。

そこを次回、お話しますね。

免疫力を高める:口内の健康と歯周病予防

いままでブラッシングや薬用成分といった
観点から歯周病予防を解説してきました。

今回はまったく別のアプローチとして、

「免疫力を高める」

というお話をします。

風邪の予防には個人の免疫力を
高めることが大切となりますが、
それは口内でも同じなのです。

免疫力が低下すると、
歯周病菌が増殖しやすくなり、
症状の進行するリスクが高まります。

 

歯周病は30代以降に増える病気です。

その要因は複数考えられますが、
1つに免疫力の低下が挙げられます。

肉体年齢がピークを過ぎたり、
中間管理職になるなどして仕事のストレスが増え、
免疫力が下がることから、歯周病リスクが
上がると言われているのです。

 

逆に体全体が健康であれば、

・細菌の増殖を抑える
・歯ぐきの炎症を抑える

といった歯周病予防が期待できます。

よって予防歯科とかオーラルケアと言えど、
全身の健康管理は大切です。

免疫力を高める11の工夫

以下、常識的で聞き飽きた話かもしれませんが、
免疫力を高めるために日常から意識できることを
リストアップします。

  1. バランスの取れた食事(7大栄養素を摂取する)
  2. 水分摂取(1日2Lは水分を摂る)
  3. 質のいい睡眠
  4. 適度な運動(有酸素運動なら60分、無酸素運動なら30分)
  5. 日光浴(1日30分~60分)
  6. 深呼吸(家・部屋の換気)
  7. 適度な入浴(41℃以下の水温で10分)
  8. 禁煙(可能ならゼロに)
  9. 禁酒(適度な量、頻度ならOK)
  10. 腸活(食物繊維、腸内菌、必要なら整腸剤や便秘薬)
  11. ストレスの軽減(ストレスの原因を取り除いたり、ストレス発散をする)

他にも意識できそうなことがあれば、
積極的に取り入れてみましょう。

 

私もこの11項目は日々意識しています。

ここ最近、意外と大事だと気づいたのが、
家や部屋の換気と深呼吸です。

水は1日くらい飲まなくても死にませんが、
呼吸は1時間止めただけで死んでしまいます。

つまり水より呼吸が大事なのです。

 

ところが、夏場だと特に
「水分補給はしっかりしましょう」
といった注意喚起がされる一方、呼吸について
メッセージが発されることは滅多にありません。

しかし部屋の空気が汚かったり、
呼吸が浅かったりすると、

・ストレスが溜まる
・頭の回転が鈍る
疲労感が増す
・心身が緊張状態になる

といった、かなりのデメリットが生じます。

よって部屋は定期的に窓やドアを開けて換気し、
呼吸もゆっくり深くするようにしましょう。

意外と、こういった行為が歯周病を予防してくれるのです。

歯周病予防成分の効果的な選び方

前回、クロルヘキシジンについて解説しました。

歯周病予防にとても効果の高い成分ですが、
日本では有効濃度で使えません。

そのため私たちは他の成分を使うことになります。

そこで歯周病予防に有効な成分を一挙ご紹介します。

歯周病予防の成分:代表的な5つ

1.IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
2.CPC(塩化セチルピリジニウム)
3.酢酸トコフェロール(ビタミンE)
4.トラネキサム酸
5.グリチルレチン酸

IPMP (イソプロピルメチルフェノール)

歯周病菌を殺菌できる成分です。

IPMPの凄いところは、
プラークの内部まで浸透殺菌できることです。

プラークは口内細菌にとって
バリアのような役割を果たしています。

そのため普通の殺菌成分ではプラーク
貫通できず、きちんとブラッシングで
破壊しないといけません。

が、IPMPはプラーク内部まで浸透殺菌できるのです。

よって仮に磨き残しがあっても、
多少ならカバーできます。

※もちろん万能ではありません。

歯周病対策の殺菌成分としては非常に有名です。

市販の歯磨き粉だと、

・システマEX
・クリーンデンタル
・デントヘルス

などに配合されています。

CPC (塩化セチルピリジニウム)

CPCはIPMPと並んで有名な殺菌成分です。

・効果時間が長い
・即効性が高い
・50ppmなどの低濃度から高い効果を発揮

といった特徴があります。

市販の歯磨き粉では、

・GUMシリーズ
・ブレスラボ

などに配合されています。

 

IPMPと違って、CPCはプラーク内部までは殺菌できません。

よって磨き残しがあると、CPCの意味があまりないのです。

そう聞くとIPMPより劣っているイメージがあります。

しかしIPMPはプラークを浸透殺菌できる代わりに、
浮遊菌(プラーク外にある細菌)への殺菌力は
CPCより弱く、一説には1/10程度の効果しかない
とも言われています。

つまり即効性や持続性はCPCが優れているのです。

 

また、歯周病予防では磨き残しを作らないことが大事です。

いくら磨き残しがあっても、
IPMPを使えば無敵になるわけではありません。

日ごろの磨き残しを、ある程度カバーしてくれるものです。

いくらIPMPを使っても、ブラッシングが甘過ぎると
歯周病にはかかります。

一方、プラークをブラシで破壊すれば、
その後はCPCのほうが効きます。

となると、どちらのほうが優秀かは一概に言えません。

 

それぞれが違った強みを持っていることから、
IPMPとCPCが両方配合されている製品もあります。

また製品の用途により、IPMP配合、CPC配合が
分かれているケースもあります。

マウスウォッシュや、
寝る前に使うジェルなどにはCPCがよく使われ、
普通の歯磨き粉ではIPMPが人気です。

酢酸トコフェロール(ビタミンE)

酢酸トコフェロールは、
歯ぐきの回復力を高めてくれる成分です。

抗酸化:
活性酸素による細胞のダメージを防ぎ、歯肉を維持。

血行促進:
歯肉の血行を促進し、組織の修復を促す。

といった作用を持ちます。

酢酸トコフェロールは歯周病予防の歯磨き粉の中でも、
少し値段が高めのものによく配合されています。

・システマ ハグキプラス
・デントヘルス

などです。

トラネキサム酸

トラネキサム酸は炎症を防ぐ成分です。

抗炎症作用:
歯肉炎や歯周病による炎症を鎮める。

出血抑制効果:
歯肉からの出血を抑える。

といった作用を持ちます。

ステマ ハグキプラスなどに配合されています。

グリチルリチン酸

グリチルリチン酸は甘草由来の成分です。

グリチルリチン酸ジカリウム
β-グリチルレチン酸といった種類があります。

どちらも、

抗酸化(歯ぐきを炎症から守る)
抗炎症(歯ぐきの炎症を鎮める)

といった作用があります。

 

以上5つが代表的な歯周病予防の成分です。

歯周病予防」と書かれている歯磨き粉を見ると、
大抵この5つのうち、数種類が配合されているでしょう。

歯周病予防のマイナー成分4つ

他、そんなに見るわけではありませんが、
歯周病予防に使われることがある
成分をご紹介します。

ヒノキチオール:
歯肉の炎症を抑える。
生葉に配合されている。

アラントイン:
歯周組織を活性化、止血する。
ディープクリーンに配合されている。

塩化リゾチーム:
炎症によって生み出される分泌物を分解。
市販では見ないマイナーな歯磨き粉で稀に配合される。

塩化ナトリウム:
炎症によって腫れた組織を引き締める。
つぶ塩、薬用塩ハミガキなどに配合される。

歯周病予防の成分まとめ

以上が代表的な成分です。

虫歯予防だと、フッ素一択であり、

・防御力のアップ(歯質強化)
・回復力のアップ(再石灰化
・攻撃力のダウン(抗菌作用)

を一気に行えます。

さらにフッ素は持続効果も高いです。

具体的な期間は食生活や体質、
フッ素濃度などにより変わりますが、
大まかに3ヶ月は効果が続きます。


対して歯周病予防だと、1つだけで
何でもできる万能な成分はありません。

そのため今回ご紹介したような
複数の複数を組み合わせて使います。

歯周病予防の歯磨き粉を選ぶときは
参考にしてください。