今日はオーガニック、無添加、
自然由来への考え方をお話します。
健康についての話だと必ず出てくる問題ですね。
歯磨き粉にも香料、着色料、保存料など、
添加物が含まれています。
発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウム)は
特にやり玉に挙げられるものです。
フッ化物も発がん性がある、
脳機能が低下するなど、
批判的な話をよく耳にします。

これについて、フッ化物は
危険ではないと私は断言できます。
が、それ以外の添加物はどうか?
ここは非常に難しい問題なのです。
結論から言うと、体に悪いです。
ただし避けても避けなくてもほとんど
違いは出ないし、分からないレベルです。
たとえばさまざまな要素の良い悪いを、
100~0で表現したとします。
体にいい水、運動、入浴は100、
悪いタバコは0と仮定しましょう。
その際、添加物は48や49。
ほんのわずか、摂らないほうが
マシという程度です。
なので添加物の是非を語ると、
なんともハッキリしない話になります。
タバコのように明らかに悪ければ、
「吸わないようにしましょう」で終わるのです。
しかし、添加物は配合するメリットもあります。
だからこの問題を論ずると、
「こういう面では良い」
「でも安全とは言えない」
「でも問題はないと考えて良い」
など、かなり右往左往するのです。
そこを今回、詳しく話していきます。
ただしとても右往左往するので、読むのが面倒なら
「体に悪いと言えば悪いけど、
避ける必要があるほど悪くはない」
とだけ覚えておいてください。
添加物=安全説
初めに「添加物は原則、安全である」というお話から。

よく添加物は体内に蓄積され、
悪さをすると言われていますが、
そういった症状は確認されていません。
では摂取した添加物はどうなっているのか?
腎臓でろ過され尿や便と共に排泄されています。
よって、危ないのは添加物ではなく、
それが体内に留まる便秘や排尿障害、
またはそれらを招く運動不足、水分不足です。
健康管理をしていて、添加物の摂取も規定量なら、
全然問題はないと考えていいでしょう。
添加物=危険説
とは言え、肝臓や腎臓といったものに
余計な仕事をさせることにはなります。
したがって、摂取しないほうが
安全であるのはたしかです。

ちなみに添加物を摂り過ぎると
体に悪いという話をすると、
「どんなものも摂り過ぎれば害になる」
という反論がよく出てきます。
が、私はこれは的外れだと思っています。
なぜなら栄養成分は体にいい
作用ももたらすからです。
つまりプラス・ゼロ・マイナスがあります。
対して添加物は摂ったから
健康になるわけではありません。
ゼロかマイナスしかないのです。
したがって避けるに越したことはないでしょう。
このことから、添加物や化学物質は
体に良いか悪いかで言ったら悪いと言えます。
が、避けなければならないほど悪いかと言ったら、
全然悪くはありません。
添加物を仮に一生避け続けたところで、
体感的にもデータ的にも分からないほどの
差しか出ないと言っていいでしょう。
健康法の中ではかなり後回しですし、
最後の最後にやったところで
目に見える変化は起こりません。
時代的にも、いまは無添加や無農薬のものが
増えていますし、有害物質も日々改善されています。
たとえばトランス脂肪酸で言うと、
マーガリンへ多量に含まれているので
食べるべきではないと言われます。
が、いま大手から販売されているマーガリンは、
その話を受けてトランス脂肪酸が大幅に減らされ、
いまやバターよりも少なくなっているのです。
どんどん世界は安全になってきています。
そのため「この成分が危険」という話は、
単純にデータが古すぎることも多いのです。
また、よく添加物について、
「政府は体に害のある成分を配合し、
国民を無能にしている」
などという陰謀論が唱えられます。
が、国民をハメるためではなく、
合理的だから行われているのです。
フッ化物はもちろん、研磨剤も発泡剤も保存料も、
すべて意味があって採用されています。
研磨剤はプラークやステインを落とす働きがあり、
発泡剤も汚れを落としたり、
成分を口内へ行き渡らせる効果があり、
保存料も、配合しないと長期間使う歯磨き粉が
腐るので、活用されているのです。
薬用成分に対しても、
「歯磨き粉はフッ素中毒になる」
「CPCやIPMPなどの殺菌成分は常在菌のバランスを崩す」
といった意見をよく見ます。
が、私は同意できません。
むしろ私の考えはまったく逆です。
日本はフッ素が1,500ppmまでしか許可されていない、
クロルヘキシジンが有効濃度で使えないなど、
むしろ安全圏を取り過ぎていると思っています。
そのせいで薬効効果がそこまで
期待できない国なのです。
もしフッ素を15,000ppm、
クロルヘキシジンを5%まで認可していたら、
「国は歯磨き粉に危険な成分を配合させ、
国民を病気にしようとしている」といった
陰謀論を私も信じていたかもしれません。
しかし現実は、
「国民を病気にしたいならあと10倍配合すればいいのに…」
と思ってしまいます。
規制が強すぎる日本において、
国民を病気にするほどの薬が入っている
という論法は無理があるでしょう。
科学的データ、論文、エビデンスについて

添加物などについて語るとき、
よく「エビデンス」が引き合いに出されます。
私は原則、それらを信用しています。
当ブログでもさまざまなエビデンスに
基づいて話をしてきました。
そのうえで、添加物は基本的に
安全であると断言できます。
もちろんエビデンスというのは、
実験方法が悪かったり、実験結果は
正しくても著者の解釈がおかしかったりします。
だから論文はきちんと読み込まなければなりません。
読んだ上で信頼できるものなら正しいと考えていいでしょう。
余談ですがエビデンスの信憑性については、
「エビデンス・レベル」という概念があります。
これはエビデンスがどの程度たしかなものなのかを
6段階に分けて評価するという指標です。
たとえば病院で処方される薬は、
たしかな効果や安全性がないといけないので、
エビデンスはトップレベルのものが
採用されています。
しかし、薬局で売られている市販薬だと、
エビデンスレベルが中間くらいで、まだ
効果が実証されきっていない成分が
含まれていたりするのです。
さらに化粧品や健康食品まで行くと、
エビデンスレベルが低く、ほぼ効果が
否定されているものもあったりします。
そして、フッ素やクロルヘキシジンなど、
国際的に推奨されている手法は、
このエビデンス・レベルが非常に高いのです。
(CPCやIPMP、硝酸カリウムなどその他の成分は、
ややエビデンス・レベルが下がってしまいます)
添加物も、その安全性は証明されています。
その中でも有名なパラペンや青色1号、
アスパルテームやアセスルファムKなどは、
数ある添加物の中でも、際立って高い安全性が
確認されたから使われているものです。
それらの成分はよく危険だと批判されます。
が、むしろ類似する他の添加物と比べても、
トップクラスで安全なのです。
たしかに、こういった科学的なエビデンスが、
後から覆されることはあります。
このことから
「科学だって絶対に正しいわけではない」
と反論する声は多いです。
が、そもそもこの世に絶対はありません。
私たちの意見・価値観だって絶対ではないのです。
「死ぬその瞬間まで、あなたは
オーガニック派で居続けるか?」
と聞かれたら、それを証明できる
物的証拠はないでしょう。
だからと言って、
「だったらあなたの意見は信用できません」
「100年後まで変わらない意見だけ言ってください」
なんて言われたら、納得行かないと思います。
でも科学にそれを求めてしまう人は多いのです。
科学が正しい確率と間違っている確率だったら、
正しい確率のほうが遥かに高いわけです。
(それを証明するのがエビデンスです)
だから確率論で、少しでも%の高いほうを
選び続ける必要があります。
100%はないからこそ、100%に近いものを
選び続けるのです。
そうすれば、私たちの選んだ選択肢は
正解である確率のほうが高いから、
ほとんどのケースで正解を
選び続けることができます。
そうして人生が好転していくのです。
私たちは過去の反省を積み上げたうえで、
いま正しいと思う答えを出します。
それが間違っていると分かったら、また修正します。
その間の損害は受け入れて、
次へ活かすしかありません。
人間はそうやって生きています。
絶対に正しいと断言できる選択肢などありません。
科学もそうです。
もし、絶対に正しいという保証がないから
科学が信用できないという話をするのなら、
「食べたものが体を作る」ということすら
否定されます。
食べ物が消化吸収されるのも、栄養素の働きも、
科学で証明されてきたものです。
「今後覆される可能性がある」という話をするなら、
栄養の話もすべて覆されるかもしれません。
オーガニックの野菜や果物も栄養価が
高すぎて体に悪いのかもしれませし、
防腐剤が入っていないから細菌が繁殖し、
かえって体がやられるのかもしれません。
それこそ添加物が存在していなかった
時代のほうが人間は短命だったのです。
「実は危険だったという可能性が0.01%でも
あるならNG」とするなら、そういう話すら
ありになってきます。
そのため、いま分かっている理論・データで
やり繰りするのが現実的なのです。
その上で、個人の価値観として
「一応リスク成分は避けておく」
とするのは悪くないし、否定もしません。
むしろ私もそう考えるタイプです。
なるべく避けておくに越したことはありません。
が、エビデンスレベルの高いデータは、
原則正しいと思っていいでしょう。
オーガニック成分のフォロー

ここまで科学を肯定し、
自然派を否定するような話をしてきました。
しかし、実際のところオーガニックのほうが
良くはあります。
オーガニック成分についてはよく、
「自然や天然だから体に良いとは限らない」
と言われます。
それはたしかです。
基本、なぜ天然成分や植物成分が
体にいいと言われるかと言うと、
そもそも効果が緩やかだからです。
効果と副作用は表裏一体。
効果が強ければ副作用も強い。
副作用が弱ければ効果も弱い。
そして自然成分は効果が弱めなので、
副作用もそこまで起こらないのです。
逆に化学成分や薬用成分などは
効果も高く作られているので、
副作用もそれなりに起こります。
あとは、そこのさじ加減をどう
判断するかという問題なのです。
決して、化学成分だと副作用だけが強く、
自然由来だと副作用だけが弱い、
ということはありません。
それに天然成分でも、効果が高ければ
同じだけ副作用も強くなります。
たとえばニンニクは自然の食物です。
しかしアリシンなどの殺菌力が強すぎて、
食べすぎると害も起こってしまいます。
体が反発して嘔吐したり、
体臭がとんでもなく強烈になったり、
腸内細菌がほぼ死滅したりするのです。
自然由来でオーガニックでも、
効果が強力なら同じだけの副作用が生じます。
だから自然のものなら効果が高く、
副作用が弱いわけではないのです。
ただし、当たり前ですが国の認可を受けて
商品化されているものは、数ある自然成分の
中でも、体にいい成分を選んでいます。
「トリカブトやテトロドトキシンだって自然成分じゃないか」
とよく言われますが、そもそもそんな成分は
市販の商品に配合されないので、考えても
意味がない話なのです。
現状、国で認可されている成分なら、
自然由来のほうが体への負担は
少ないと考えていいでしょう。
実際、「洗剤なら皮膚や粘膜が荒れていたが、
純石鹸なら平気だった」という体験談は多々あります。
逆に「天然成分の石鹸や洗剤はダメだったけど、
化学成分ならOKだった」という話は聞きません。
基本は長年体に摂り入れられ続けてきた天然成分のほうが
私たちの体に適合するのでしょう。
したがって、
添加物は良いか悪いかで言ったら悪い
しかし、避けなければならないほど悪くはない
オーガニックのほうが体に良い
しかし添加物モリモリを、完全オーガニック生活にしたところで違いはほとんど分からない
という、どっちつかずの結論になりますが、
ここまでが私の考えです。
無添加生活で体調が良くなったのは本当か?

ちなみに無添加生活を推す根拠として、
「コンビニ弁当をオーガニック弁当に
変えてから体調が本当に良くなった!」
みたいな話をよく聞きます。
ただ、私はこれオーガニックのおかげか
怪しいと踏んでいます。
なぜなら、自然や無添加などに目覚めたら、
他の生活も変えているだろうからです。
「食べ物を無添加に変えたが、
食べている品目はまったく同じ」
というケースは聞いたことがありません。
大抵、以前よりお肉やアルコールなどが減り、
野菜、果物、豆類や芋類の量が増えている
というパターンが多いです。
私も健康に興味がなかったころより、
いまのほうが玄米、オートミール、
ミューズリー、大豆ミートなどを
よく食べるようになりました。
ジャンクフードはたまにしか食べなくなりました。
だから体調が良くなったのです。
つまり、添加物がなくなったから
健康になったのではなく、栄養バランスを
整えたから健康になったのです。
したがって添加物 vs 無添加の問題は、
49点の健康が、51点になる程度の
違いしか生まれないと考えています。
では、そこにお金・時間・労力を掛けていくか?
そこはもう趣味趣向の次元になってきます。
健康管理というより、趣味の範囲なのです。
健康で大切なのは感情の力

ただし、オーガニック生活は時に、
エビデンス以上の健康効果をもたらします。
なぜなら『感情』は健康で非常に
大きな力を持つからです。
ストレスはあらゆる病気を誘発します。
うつ病になったら、あらゆる健康法を
やる元気もなくなります。
健康か不健康かは、メンタルが
かなりのカギを握っているのです。
添加物を恐れている人は、
添加物が多いとストレスが多いので、
そこからあらゆる健康を害することはあり得ます。
プラシーボやノセボ効果と呼ばれるものも起こります。
つまり「オーガニックで、無添加で、浄水器もつけた。
だから安心だ」という感情が、本当に体を
健康にすることは十分あり得るのです。
水素水とか、サウナで整うとか、
マイナスイオンとかも、同じことが言えます。
科学的に正しい方法とは言えませんが、
本人が「これで健康になる」と信じていれば、
本当にそうなったりするものです。
よって、自分の価値観は大切にしたほうがいいでしょう。
歯磨き粉は"しょせん"医薬部外品

ここで、当ブログのテーマである歯科に戻ります。
いままで話したように「入っていないほうがいいが、
入っていたからどうなるわけでもない」というのが
私の結論です。
歯磨き粉は医薬部外品に分類される製品です。
病気を絶対に防げるほど強力な成分はないし、
常在菌のバランスを崩したり、癌になるほど
副作用が強い成分もありません。
作用も副作用も「それなり」なのが歯磨き粉です。
ちなみに、いま「医薬部外品」と言いましたが、
医薬品の分類は多岐にわたります。
代表例:
化粧品
医薬部外品
第3類医薬品
第2類医薬品
第1類医薬品
基本は下に行くほど効果が強力です。
そして歯磨き粉はほとんどが
医薬部外品に該当します。
歯科専売品でさえ医薬部外品です。
ごく一部、アセスなど強力な成分のあるものが
第3類医薬品に分類されています。
また、薬用成分のないものは化粧品に
数えられます(せっけんハミガキなど)。
ほとんどの歯磨き粉が該当する医薬部外品は、
「衛生や予防を主とするもの」と定義されています。
その効果は、風邪薬や目薬よりも
よっぽど効果の低いものであり、
それ1つですべてが変わるほど
強力な歯磨き粉は作れません。
よって危険なほどヤバい成分は配合できないのです。
逆に言えば、だからこそ
「歯磨き粉はサブ」と私は考えています。
オーラルケアを勉強していると、
「フッ素は絶対に取れ」
「薬用成分が多いものを使え」
と過激な主張をよく見かけます。
たしかに薬用成分は非常に有用です。
しかし、人に押し付けるほどのものでもないと
私は考えています。
結局は医薬部外品の域を出ないからです。
虫歯予防で言うと、フッ素があった方が
有利なのはたしかですが、抵抗のある人は
フッ素なしでも、他でカバーすれば十分です。
絶対摂らなきゃいけないものでもありません。
健康の鍵は感情の力
というわけで結論です。
基本はあなたが使っていて
気持ちのいいほうを取ってください。
私も自然派の方が使っていて気分がいいです。
ただ、歯磨き粉はマニアみたいに次々いろいろ
試したくなるので、医薬部外品も化粧品も
片っ端から使っています。
最終的にはこだわるほどのものではない、
というのが私の考えです。
あなたの心に従って、答えを出しましょう。