今日は虫歯予防の第3位をご紹介します。
注意してやっておくべきはここまで。
以降の4位、5位までをやっても、
無駄に時間がかかって効果は低いです。
(そしてTOP3までをきちんとやっても
虫歯になってしまうようなら、他の
原因を疑ったほうがいいです)
よって、第3位までに集中しましょう。
そんな今回のテーマはブラッシング。
歯磨きとデンタルフロスによる虫歯予防です。
なぜ歯磨きとフロスは虫歯予防になるのか
虫歯の原因となるミュータンス菌は、
糖分が入ってきたときに歯垢(プラーク)を
形成し、その中で繁殖していきます。
つまり、
プラークがある
→ミュータンス菌が多い
→糖分を入れたときに出る酸の量が多い
→虫歯にかかりやすい
ということです。
逆にプラークをきちんと除去すれば、
虫歯リスクを減らせます。
一応プラークがなくなっても、
口腔内に存在する"浮遊菌"はいますが、
それが虫歯や歯周病の原因となる
可能性はほぼありません。
よって、ブラッシングは虫歯予防に効果的です。
また、口の中に食べカスが残っていると、
それがミュータンス菌のエサになるので、
ずっと酸が出続けてしまいます。
そこをブラッシングにより除去する効果もあるのです。
以上のことから歯磨きとフロスに
虫歯の予防効果はあります。
歯ブラシで表面の汚れを落とし、
フロスや糸ようじで歯間の汚れを落としましょう。
歯磨きとフロスによる虫歯予防の限界
ただし、予防歯科のいろはで
お伝えしてきたように、
「歯磨きをすれば虫歯にならない」
とは言えません。
ブラッシングは酸の量を減らす補助。
いくらプラークを除去しても、
糖分の入る頻度が高ければ、
酸は生成されてしまいます。
ここが大きな落とし穴です。
一般的なオーラルケア情報では、
「虫歯予防のため、きちんと歯磨きをしましょう」
と謳われています。
しかし、もっとも大事なのは
糖分の摂取回数を減らすこと。
次がフッ化物応用です。
その次がブラッシングとなります。
決して、歯磨きすれば
大丈夫なわけではありません。
この情報を信じ込むと、
「虫歯が多いからもっと頑張って
歯磨きしないと!フロスもしないと!
なんならマウスウォッシュも追加するか!」
というふうに間違ったケアをしてしまいます。
が、いくら歯磨きやフロスを頑張っても、
間食が多ければ必ず虫歯になるんです。
よって効果を過信しないようにしましょう。
歯磨きしても虫歯になる原因
ちなみにここまでの話を読んで、
「浮遊菌は虫歯の原因にならないなら、
プラークさえ除去できれば良いわけだから、
完璧に歯磨きすれば虫歯にならないのでは?」
という疑問が生まれるかもしれません。
たしかに先ほども言った通り、
浮遊菌で虫歯になることはまずありません。
よってプラークさえ完璧に除去できれば、
理論上、虫歯にならないのです。
しかし、これは3つの点から実現がほぼ不可能なのです。
まず1つめに、プラークは何もしなくても溜まります。
よって、一度完璧なブラッシングをしても、
数時間後にはある程度のプラークが
形成されているんです。
そして、多くの人が歯磨きをする
タイミングは食後だと思います。
よって食事の時点で、すでに酸は出ているのです。
(こういった事情から、裏ワザとして
食前に歯磨きをする人もいます)
2つめに、完璧なブラッシングと言っても、
想像以上に難しいことです。
「自分ではちゃんと磨けたつもりでも、
磨き残しが多かった」
というパターンは少なくありません。
そもそも磨き残しは目視だと分かりづらく、
染め出し剤でも使わない限り、
ちゃんとチェックはできません。
特に歯の裏や奥歯は、鏡を使っても
なかなか見えないのです。
そのため歯科医師や歯科衛生士でさえ、
定期検診を受けて第三者に磨き残しを
チェックしてもらうことがあります。
プロでもセルフケアが完璧とは限りません。
よって私たちが自宅で完璧な
ブラッシングをするのは困難です。
3つめは奥歯には裂溝という、
絶対に磨けないほど深い溝があることです。
深さそのものは2mm~3mm程度ですが、
隙間が狭いので歯医者に行っても
この溝までは磨けません。
よって、他をどれだけブラッシングしても、
裂溝のプラークだけは除去できないのです。
そのため、虫歯リスクの高い方は
分かると思いますが、前歯よりも
奥歯のほうが虫歯になりやすいはずです。
その原因は、ブラッシングしてもプラークを
除去できない場所があるからです。
以上から、ブラッシングは補助と言えます。
プラーク除去によりリスクは大幅に減らせますが、
「磨いていれば虫歯にならない」とは言えません。
どんなに歯磨きをしても、
糖分の摂取が多ければ虫歯になります。
逆にまったく磨かなくても、
糖分を入れなければ虫歯にはなりません。
よってブラッシングは大切ですが、
最重要ではないと考えておきましょう。
1日2回のフッ化物応用をする際に歯を磨き、
そこで丁寧にブラッシングしていればOKです。
私は毎食後の1日3回ブラッシングをしています。
朝昼は軽く3~4分。
ここは最低限の食べカスやプラークを除去し、
歯磨き粉のフッ素や殺菌成分を入れれば
十分という考え方です。
そして、夜は丁寧に7~8分ほど歯を磨きます。
ここではプラークをできるだけ完璧に除去し、
キレイな状態で眠りに付くためです。
あなたも適度にブラッシングを取り入れてみてください。