前回、酸蝕歯の原因を解説しました。
今回はその予防法をまとめますね。
酸蝕歯の予防法
酸蝕歯を予防する方法は、シンプルですが
長時間、高頻度で酸性の食べ物・飲み物を
摂らないことです。
ここでのポイントは、
『長期間+長時間+高頻度』
です。
そうして少しずつ歯が溶かされるのが酸蝕歯。
逆に言えば、常識的な量や頻度であれば
問題ありません。
一時的な酸なら、歯は唾液によって
すぐに自然治癒します。
(緩衝能と言い、唾液は酸性に傾いた歯を
中性に戻す作用を持つのです)
よって、あまりに高頻度で長期間、
摂り続けているのであれば控える
くらいの気持ちでいいでしょう。
私も酸蝕歯に日ごろ気を付けているかと言えば、
全然気にしていません。
一時期、3年くらい毎日500ml~1Lのコーヒーを
飲み続けていましたが、それでも酸蝕歯には
まったくなりませんでした。
(コーヒーはエナメル質の脱灰が起こる
酸性値ではないからかもしれませんが)
そのため前回は酸性の食べ物・飲み物を
リストアップしましたが、普段は
まったく意識していないのです。
普通の生活なら酸蝕歯は起こらないでしょう。
酸蝕歯でもっとも警戒すること
では酸蝕歯で警戒すべきは何か?
それは、虫歯との合わせ技です。
酸性に加えて糖分を含むものを飲み食いすると、
虫歯菌が出す酸+飲食物そのものの酸で、
一気にエナメル質が溶かされます。
それにより虫歯や知覚過敏が進行するのです。
つまり酸蝕歯で真に警戒すべきは、
虫歯とダブルで進行することです。
特に前回ご紹介した飲み物のうち、
加糖のものは強く警戒すべきでしょう。
- 炭酸飲料(コーラ、エナジードリンクなど)
- 果汁飲料(特にレモン、オレンジなど柑橘系)
- 栄養ドリンク、スポーツドリンク
- ヨーグルトや乳酸菌系の飲料
- お酒(特に梅酒やワイン、ビール)
特に、
「炭酸飲料やワインを毎日飲んでいる」
「お酢の健康飲料を飲み続けている」
「エナジードリンクが好き」
といった方は酸蝕歯になっている可能性があります。
そのため定期検診でチェックしてもらいましょう。
逆に「酸蝕歯だけど虫歯は全然問題ない」というのは
かなりのレアケースです。
毎日頻繁に炭酸水やゼロカロリーの
エナジードリンクなどを飲み続けているなら、
あり得るかもしれません。
が、そういうケースでもない限り、
酸蝕歯が単体で起こることはまずありません。
大抵は虫歯+酸蝕歯のダブルでやられているのです。
よって、酸蝕歯に関しては、
『酸性+加糖の飲み物』を警戒しましょう。
酸性+無糖なら、気にしなくてもいいと思います。
一方で食べ物は、正直なところ肉類、魚介類など
動物性食品のほとんどが該当します。
よって「酸性の食べ物を控える」となると、
ヴィーガンやベジタリアンのような
生活しかできません。
が、酸性の食べ物を摂るだけなら、
高頻度でなければ歯は自然に治ります。
1日3食以内なら心配しなくていいでしょう。
よって、基本的に当ブログでご紹介した虫歯予防、
「食事回数に気を付ける」さえ守っていれば、
酸蝕歯も自然と予防できることがほとんどです。
酸蝕歯予防の歯磨き粉
もう1つ、酸蝕歯を予防する方法として、
フッ化物により再石灰化を促すというものがあります。
これも虫歯予防と原理は同じ。
フッ素の再石灰化により、
酸性の食べ物・飲み物で溶けた
エナメル質が素早く再生するのです。
大人の方は高濃度フッ素(1,450ppm)の
歯磨き粉を使いましょう。
ちなみに、酸蝕歯予防を謳った歯磨き粉が
シュミテクトから2つ出ているので、
ご紹介します。
フッ素の吸収率がアップしているとのことで、
興味があれば使ってみてください。
酸蝕歯まとめ
ここまでの特徴をまとめます。
- 酸蝕歯は飲食物の酸でエナメル質が溶かされる症状
- 大抵は虫歯+酸蝕歯のダブルでエナメル質がやられている
- 虫歯予防と同じく、摂取の頻度を下げれば予防できる
- フッ素(フッ化物)も有効
虫歯予防のところで話した、
「糖質の摂取頻度を下げる」さえ意識すれば、
明らかに酸蝕歯を発症することはまずありません。
心配なら歯科医に診てもらいましょう。
そこで問題ないようなら、
気を付けなくてもいいと思います。
一方、スポーツドリンクやエナジードリンクなど、
加糖+酸性のものをよく摂取している場合は、
その頻度を下げるなど工夫していきましょう。
以上、酸蝕歯の予防法でした。